改善法・参考資料

 ⑫ 「発達障害・僕にはイラつく理由がある」

 

 先日、フェイスブックを見ている時、
フト本の紹介が目につきました。
本は「発達障害・僕にはイラつく理由がある
 (かなしろにゃんこ・漫画家 著
  監修・解説 前川あさ美・東京女子大学教授)

さっそくネット通販で購入して読んでみました。
漫画が多いいので読みやすく、一気に読めました。

 

 著者の方は、ADHDと軽い自閉症スペクトラム障害がある息子さんを持つ母親。

息子さんが成人して「小学生のあの頃どんなことを思っていて
どんなことを、まわりにわかってほしかったのかを聞いて」
その内容を漫画で描き、そして、
公認心理士である専門家の先生が、
「問題点」を改善する工夫とヒントを解説しています。

 

  「深~いワケを本人が語る」
繰り返される「問題行動」は自分を守るためでした。
 ・パニックになる、暴れる⇒感覚過敏でボロボロなんだよ!
 ・話しかけると怒りだす⇒一人で休ませてほしいんだ!
 ・人の気持ちはわからない⇒形のないものはわからないよ!
 ・整理整頓ができない⇒見えるところにないと不安なんだ。

 発達障害当事者の話なので、非常にわかりやすく、
また漫画で描かれている点で、
見て簡単に理解できる、ありがたい本でした。

 

 最近はだんだんと年も取ってきて、
難しそうな本は読みにくくなってきましたが、
こうした漫画での解説は読みやすて助かります。

 漫画には、こういった役割もあり、
「漫画」の持つ力と可能性を新たに感じました。


   

 ~本文より~
 ”人の気持ち、わかるかな?”
   「友達との会話の中で、どんな言葉が必要かも知らなかった。
    何より毎日の生活で精いっぱいで、人のことを考える余裕なんてなかった。」”

 ”エピローグ”
   「そして、相手の気持ちを考えて行動できるようになったのは、
    アルバイトをするようになってから。
    学校以外の場所で出会った人の影響が大きかった。

   「いろいろな人のいいところをちょっとずつマネすれば、
    自分もちょうどいい”普通の人”になれるかもしれない!
    こう気がついたのだとか」

 

   ”リュウ太の普通の人キャラ設定”
     ・人の話題につきあう
     ・イライラしても声に出さない
     ・飲み会に参加してみんなとしゃべる

     ・ねぎらいの言葉をかける
     ・目上を立ててでしゃばらない
     ・いつもありがとうを言う

      ~だからバイト中だけは「普通の人」を、
             演じられるように気をつけるんだ~

 

 ⑪ 「アスペルガー症候群の”そうだったんだ!”がわかる本」
(西脇俊二・精神科医 著、イラスト・アベナオミ)

 ”コミックエッセイ”を読みました。

当事者であり、精神科医である著者の体験や、
アスペルガー症候群の説明などを、イラストレーターの人がマンガでわかりやすく解説。
いろいろと参考にさせていただければと思います。

 

 「ストレス対処法」
   ・ストレスのサインをなるべく早く見つけよう
      ”周りと合わせようとするとストレスを抱えやすい”
   ・自律神経のメカニズムを知っておこう
      ”交感神経が優位になりすぎないようにする”

   ・ストレス解消法をたくさん見つけておく
      ”簡単にできる好きなことを用意する”
        ・好きなお菓子を食べ、好きな飲みものを飲む
        ・好きな景色や動物の写真を眺める
        ・好きな音楽をイヤホンで聴く
        ・好きなアロマのにおいをかぐ
        ・静かで落ち着く場所で深呼吸をする
        
   ・毎日の記録で自分の行動を分析してみる
      ”自分を客観視するためのスキルを身につける”
        ・応用行動分析を利用してみましょう
          自分の行動を振り返り、うまくいかなかった行動の
          先行状況(どんな場面だったのか)と
          結果(そのときどう対応したか)を記録します
        ・日記をつける

 

   ・毎朝15分で1日の行動予定を立てる
      ”毎日のスケジュールを視覚化する”
         ・週間、月間の予定表をつくる
         ・朝の15分を使って、その日の「やることリスト」をつくる

   ・作業工程をリストアップして優先順位を整理する
      ”作業を細かく分けて視覚化する”


   

   ・神経伝達物質のドーパミンは意欲や集中力を高め、
    セロトニンは気分や感情のコントロールに欠かせません。
    セロトニンやドーパミンが少ないために、
    ストレスが発散されにくい場合があります。

   ・減糖とビタミンB6摂取を心がけよう
    ビタミンB6は、神経伝達物質ドーパミンやセロトニンの合成にも不可欠です
     
   ・「イー」で笑う表情を作る練習をする

   ・ソーシャルスキルはマニュアルで覚える 
    ”具体的な方法のほうが理解して使える”

   ・自分のこだわりは一度横に置いてみる
     ”別の見方をする練習を繰り返す”

 

   ・ひとりで自由に行動できる時間をもつ
     ”付き合いの幅を無理に広げない”

   ・自分の特性を理解して周りの支援を得る
   ・特性のプラス面にも注目、得意な面を伸ばす
   ・変わった「できる人」をめざそう

 

  「アスペルガーですが、妻で母で社長です」

       アズ直子(著)より~

 

 ”私が見つけた「人とうまくいく」30のルール”   

   ①朝8時に”スタバ”に行く・・・・「朝8時にスターバックス・コーヒー(スタバ)に行こう」
                      生活リズムの整え(朝起き・道のりを歩く運動)

   ②毎日「ひとり会議」を開催する。・・・・①1日の予定や仕事の優先順位を確認。
                           ②毎日必ずしなければいけないことを
                             「ひとり会議」の時間内でこなす。

   ③「赤」と「黄色」を活用する。・・・・探し物や、無くし物の対策。カギや携帯電話、手帳など
                        大切なものは「赤」か「黄色」にして、見つけやすくする。

 

   ④遅刻しない3つの鉄則・・・・①出かける1時間前には、何もはじめてはいけない。
                      ②目的地には30分前到着を目指す。
                      ③最低限セットを置く。
                         (鍵、携帯、手帳、財布、化粧ポーチ、パソコン)

   ⑤「自分の世界」を確保する。・・・・「朝のスターバックス・コーヒー」 「ひとり会議」

                         「ひとりでドライブ」 「夕焼けを眺める」
                         「水族館で魚の群れを見る」

   ⑥人の顔の見方・・・・相手が何か話している時には、その人の顔を見る。
                 相手の目をじろじろ見ない。
                 目ではなく眉間あたりに視点を置くとよい。

 

   ⑦失敗しないお話ルール・・・・自分が話すときには「お話してもいいですか?」と聞くことや、
                      相手が話しているときは退屈でも最後まで聞く。

   ⑧腕1本ルール・・・・私は特別仲がいい関係でない限り、
                隣に立つ場合「腕1本」伸ばしたくらいの距離、
                隣に座るなら触れ合わないくらいを目安。

   ⑨噂話と人の悪口・・・・耳に入ることをすべて事実としてうのみにして、

                  行動の基準にしてしまうと、あとで自分が不利益を被ったり、
                  人に迷惑をかけたりすることになる。
                  「噂話」と「人の悪口」は、聞かないと決めた方が無難。

 

   ⑩白黒つけられない時は・・・・あいまいな表現や比喩表現を理解することが苦手。
                    はっきりとした期日などを示してもらうことなどを、伝えることも大事。

   ⑪いわゆる「返事」には心を込めない・・・・メールや電話などイエスかノーかですぐ返事を出す。

   ⑫子育てには「応援団」と「距離感」が必要

   ⑬困ったときは耳をもむ・・・・耳をよくもむだけでも、全身の血行が良くなり、
                     緊張がほぐれます。  

                     自律神経のバランスを整えリラックスできる
                     お守りのようなツボ、「神門」もあります。

   ⑭どうしても気の合わない人は、相手も「宇宙人」だと思え・・・・
                     ・・・・そう思うことで、ストレスの回避。

 

   ⑮感情を落ち着かせるいくつかの方法・・・・ハワイのヒーリング方法「ホ・オポノポノ」
     
                         「ごめんなさい」「許してください」
                              「ありがとう」「愛しています」
                              この4つの言葉をひたすら繰り返すだけです。

                            4つの言葉を繰り返し唱えることで、ネガティブな感情を
                            穏やかにしずめていくことができます。



   ⑯次に何をしたらよいかわからない時・・・・朝、することの優先順位を書き込んだ 
                        手帳を見直し、気持ちを立て直す。

   ⑰楽しすぎることは、まずは一人で・・・・集中したいことには、最初から一人で取り組む。

   ⑱タイマーを使い倒そう!・・・・携帯電話の目覚まし機能を使い常に7つ設定。
                       何かを始めるために鳴らすだけでなく、
                       終わりの合図の為に鳴らすことがむしろ重要。

   ⑲持たない、借りない、増やさない・・・・ものが増えれば増えるほど、分類ができなくなり、
                            片づけができなくなります。
                            できるだけ物は持たず、なくても生きていけるものは買いません。


   ⑳片づけは「レスキュー方式」・・・・探し物を入れる「大事箱」を用意、探し物を入れる。
                     「絶対捨ててはいけない大切な物入箱」                              

  (21)刺激物を摂りすぎない・・・・カフェイン、タバコ、お酒、白砂糖、食品添加物
                       携帯電話、パソコン、テレビ、音、光
                       「極力控えてちょうどよい」

  (22)何か行動を起こす前には3回考える。・・・・お金がかかることや、
                          人を巻き込むことなど自分だけでは
                          済まないリスクがある時には、
                          必ず信頼できる人に相談。

 

  (23)家族の逃げ場を持とう・・・・特に家族や仕事仲間など、相手に気持ちのやり場や、
                   逃げ場を持ってもらう必要があります。   

  (24)「人に分かりやすい特技」を持とう・・・・人に貢献できる特技を持つことが、
                         いずれは自分を支えることになります。

  (25)「通訳」を持とう・・・・自分を応援してくれる人が、他の人との仲立ちをしてくれる。
 

 

  (26)真に受け力・・・・「言われたことは全部鵜呑みに信じます」
                真に受けて行動を起こすので、やはり現実化しやすい。

  (27)「過集中」・・・・人にはできないことをやり遂げる。
               「過集中」を持っていること、そしてその「結果」を印象付けることで、
               ”何かをやり遂げることができる人”と認識してもらえる。

  (28)こだわり抜くことが価値を生む・・・・ある分野にこだわって、長期的に取り組み続けた結果、
                        評価をいただいて、趣味のレベルから仕事まで
                        発展したことがいくつか生まれています。
     

 

  (29)夢に日付が付く・・・・「いつか」も「今度」も、なかなか来ない「明日」にも
                 納得することができないので、
                 自分の夢や目標にはいつも、具体的な日付が付きます。

  (30)それでも迷ったとき、レールから外れてしまったときには?
           まずは外れてしまったことで、自分を攻めすぎないということ。
           それからそれ以上「傷を広げない」というモットーが助けになります。

 

 ⑨ 「アスペルガー・アズ直子の仕事術
         ”好きなことを仕事にするコツ”」
               (動画より~)

 

 ”アズ直子”さん
    ・アスペルガー経営者
    ・著書4冊 (「アスペルガーですが、妻で母で社長です」ほか)     

    ・フラワーエッセンスの問屋業

    ・「アスペルガー症候群」・・・・知的障害は伴わない、発達障害の一種。
                      ・コミニュケーション障害など「空気が読めない」
                      ・対人関係が苦手
                      
 ”雑貨問屋(ネットショップ)始める。(18年前)”
    ・アスペルガーの診断を受けたのは大人になってから。
    ・会社はどこにつとめても、務まらなくてクビになり、
     いたしかたなく、ネットショップ(雑貨問屋)を始める。
         (対人関係性の少ない仕事として)
       
   「取り扱っている商品は、リラクゼーショングッズ・タッチフラワー」 
     もともと私はこの商品が大好きで、
     イヤな気持ちになった時などに使ってきた、
     伝統的なハーブ療法です。

 

     最初自分が使っていいと思うもの、大好きに思う気持ちは、
     それを仕事にしていくのには大切だと思います。
     しかし、気を付けてほしいことがあります。 

     自分が好きな商品を扱いたいと思ったとき、
     扱い方によっては、自分の好きではないことが
     仕事のほとんどになってしまうことがあります。

     たとえば、私がこの植物、ハーブ療法のようなものを
     仕事として扱い始めた時には、ネットショップという方法を選びました。
        (仕事内容は、パソコンと段ボールと、ガムテープ)

              


     テーマはハーブ療法ですが、
     実際やっている仕事は、ダンボールの中にそれらの商品を詰めて、
     ガムテープを張り、全国に発送するという仕事になります。

     なので、きれいなお花と触れ合うことはほとんどなくて、
     八百屋さんとか、スーパーマーケットのバックヤードのように、
     ダンボールだらけになります。   

                                      
     私はそれがたまたま好きになりましたが、
     中には違うことがしたかった、と思う人がいるかもしれません。
     好きなことを仕事にする時は、
     その提供方法も含めて、好きになれるかどうかになります。

     チャレンジしてみないと、
     それが好きになれるかどうかはわからないので、
     まずは一生懸命やってみて、自分の向いているもの、
     提供方法も含めて好きになれるかどうかということを、
     考えてみてください。

  ⑧  「私は発達障害がある診療内科医」(星野仁彦 著)に学ぶ

 

 副題が「生きづらさを感じている人」への処方箋となっています。

 星野仁彦先生はご自身が、発達障害(ADHD)の当事者であり、

 又、発達障害の診療の専門家としての両面を持たれているので、

 ご自身の体験談とともに、その解説は大変分かり易いものです。

 

    (「私は発達障害のある診療内科医」(星野仁彦 著)より引用) 
 星野先生は、診療内科医になって数年後に、発達障害を専門にしている自分自身に対し、

 自分が「ADHDという発達障害」だという診断を下します。

 そして、1990年代後半くらいから言われだした「大人の発達障害」

 (長いこと発達障害の適切な治療を受けないまま大人になり、

 社会生活に適応できずに苦しんでいる)大勢の人の治療と、サポートを続けてこられています。

 

 星野先生は、分かり易い表現で発達障害をこのように解説されています。

 ○ すべての発達障害に共通していること、

   それは、家庭、学校、会社、社会の中で「ちょっと困った人」 
 ・ たとえば、ADHD(注意欠陥多動性障害)のひとの特徴
  「落ち着きがない」「不注意」
  「短気で怒りっぽい」
  「かたずけや物事の管理ができない」
  「人の話を最後まで聞けない」
  「約束や期限を守れない」

 

 ・ アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)の特徴
  「自分一人でしゃべって会話ができない」
  「自分なりの順番や習慣に強くこだわる」
  「ささいなルール違反を強くとがめる」
  「冗談やユーモアが通じない」

 ・ 発達障害はけっしてまれなものではなく、ADHDやLD、アスペルガー症候群などは、

   15歳未満の子供のおよそ一割にみられますが、大部分が見逃され、

   大人になって、うつや引きこもり、各種の依存症といった二次障害を起こしている人も多い。

 

 ・ ADHDとアスペルガー症候群には共通点が多いが、もっとも大きな違い。
    ADHDの人が他者とかかわりたいのに、うまくかかわれないのに対し、

    アスペルガー症候群の人では人と親しくなりたいという欲求そのものが希薄なのが特徴です。

    基本的に孤立しても平気で、一人でいることを好みます。

 

 ○ 発達障害の特徴 (長所) 
 ・ 発達障害の人は総じて、自分が興味やこだわりを持てる勉強や趣味には、

   集中を発揮し熱心に取り組み、多大な成果を上げることが多くあります。

    (一例、エジソン、アインシュタイン)

   その分野を見つけることが発達障害の人には重要で、そのことが生きづらさを緩和したり、

   失いかけた自尊感情を取り戻したりするきっかけになることが多い。

  そして、星野先生自身多くの生きづらさを持ちつつ、なりたかった精神科医になり、

  高い関心を抱いた発達障害の研究一筋に来られました。

 

 「百芸は一芸のくわしきにしかず」

 ○ 星野先生は、ADHDやアスペルガー症候群などについては

   「発達アンバランス症候群」と呼ぶべきであると提唱しています。

 ○ ADHDやアスペルガー症候群の子供は、知的障害を伴わないために障害そのものが認知されず、

   「なぜできないのか」「なぜわからない」と責められがちで、

   その結果、不登校やうつ、非行(行為障害)などの二次障害を起こしている子供も多い。  
 
 さらに、大人になってからの治りにくいアルコール依存、買い物依存(浪費癖)、

 ギャンブル依存、借金依存になる二次障害を起こしているケースも多くあり、

 精神科領域では「重ね着症候群」と呼ばれています。

 

 ○ 星野先生も苦手なことだらけだそうです。

   必死で工夫しなければ、片っ端からやるべきことを忘れ、物を置き忘れ、

   期限は守れず、会議では場違いな発言でひんしゅくを買うことでしょう。

   自分の編み出した工夫と周囲の人の支えのおかげで、

   どうにかこうにか社会生活が維持できているという状態だそうです。

 

 発達障害の人には、「できない」「できない」の連続でひどく落ち込む前に、

 「自分にもいいところ・得意なことがある」「その部分で勝負しよう」と思っていただきたいのです。 

 

 ⑦   ”うちの火星人” (4コマ漫画&エッセイ)
                平岡禎之 著

 

  「うちの火星人」
   5人全員発達障がいの家族を守るための
     ”取扱説明書”
        「失敗を明るく乗り越えるために父が作った」

   一般の人と、家族の感覚にあまりに開きがあることから、
   自分たちの感覚を”特別な個性”として、
   一家で「火星人宣言」をすることに。

   二男二女の6人家族。
   個性をキャラクター化。
    (遊び心で失敗を笑いに)

     ヘルメットをかぶっている5人が当事者(火星人)という設定。
     外出の際は、パニック(呼吸困難)防止のためにヘルメット着用。
 
     ”特性を表すニックネーム” 火星人ニックネーム
       母親・・・・ワッシーナ: 気が散りやすく話が飛ぶ。
       長女・・・・ニャーイ: 気が散りやすく話が飛ぶ。
       長男・・・・ウルフー: においと音に敏感、予定変更が苦手。
       次女・・・・リスミー: 落ち着きがない。人の表情が読みづらい。
       次男・・・・ウッシーヤ: 行動がスローペース。整理整頓が苦手。

  
    家族が発達障がいと2008年に気づいて、
    診断を受けて、薬などの治療で治るものではないことを知る。
    行動療法を知る。
    行動療法のトレーニングは2年目から開始。

    「家庭の中で環境を変えていく。
     本人が変わるのでなく、
     環境を変えることが国際的に成果が出ている方法だと知り、
     それを家族で取り組んだ。

     専門家について、ペアレントトレーニング、ロールプレイング、
     ソーシャルトレーニングを学び、家庭内で実践。

     「”失敗しても叱らない”
      子どもの心に寄り添い、気づきをうながし、
      ほめて伸ばす方針を。
      すると子供たちの個性が色鮮やかに輝きだして・・・・」

  ”「うちの火星人」出版”
     専門家について、トレーニングした内容を家庭でやって、
     その内容を本にした。
       (福祉で指導していただいた先生方が、本の監修)
     最初は電子書籍、新聞社の目にとまって、
     「沖縄タイムス」で連載(4コマ漫画)がスタート。
     単行本の出版。

  ⑥  発達障害と栄養

 

 ネット通販で注文していた本「発達障害の治療の試み」
(マリヤ・クリニック院長 柏崎良子。
 低血糖症治療の会理事長 柏崎久雄。 著)
が届きましたので、さっそく読んで見ました。

 

”検査を基にした分子整合医学による内科的治療”とあります。

 医学の専門的な内容も多くありました。
著者紹介では、マリヤ・クリニック院長の柏崎良子先生は、
精神障害の内科的治療として、機能性低血糖症の治療を
1987年から取り組み、2006年から発達障害の治療に取り組む
分子整合栄養医学を日本で最初に採用した内科医院、とあります。

 

    分子整合栄養医学・・・・アメリカのライナス・ボーリング博士
                   ”ノーベル化学賞、ノーベル平和賞受賞”
                   により、「ビタミンなどの栄養素と生体内物質による治療」
                   を提案されたもの。

                   ボーリング博士にビタミンの至適量投与による治療の定義を
                   知らせたのが、精神科医のアブラハム・ホッファー博士。
                   (機能性低血糖症の研究。統合失調症の治療)
  
 一般的には「発達障害の治療は無い」
と言われていますので、大変関心の深いものがあります。
医療の専門的な内容は難しそうなのですが、
一般的な食事改善につながる内容などは、
いろいろ参考にさせていただければと思いました。

 

たとえば、改善に役立ちそうなこととしては、
腸内環境の改善に乳酸菌など。
貧血の改善には鉄分、プロテインなど。
解毒機能の強化として、総合ビタミン・ミネラルなど。
エネルギーを作るサポートに総合ビタミン・ミネラル、プロテインなど。

「症状改善に向けて、食事や生活で気を付けること」では、
  ①甘いものを極力控える。  ②よく噛んで食べる。
  ③グルテン・カゼインの除去  ④少量頻回食
  ⑤消化の良いタンパク質をしっかりとる。

 

  ⑥質の良い油を摂る。(EPA、DHA)
  ⑦回転食(可能な限り、種類を変えてタンパク質を摂ること)
  ⑧繊維の多い食物を摂ること。(野菜、海藻類、キノコ類など)
  ⑨ニンニクを料理に使う。  ⑩腸内環境改善

 

  ⑪抗酸化
     ビタミンAの多いもの・・・・レバー、うなぎ、かぼちゃや緑黄色野菜。
     ビタミンEの多いもの・・・・ナッツ類や魚介類。オリーブオイルなどの良質な油。
     ビタミンCの多いもの・・・・野菜、くだもの、豆類
  ⑫グルタミンの摂取

 

 「低血糖症を予防する食生活の注意点」として、
    ①玄米、胚芽米、全粒粉パンなど、精製されていない穀物を食べましょう。
      未精製の穀物は、吸収がゆっくりなので血糖値を急上昇させません。

    ②白砂糖は血糖値を急激に上昇させるので、甘いお菓子や、
      清涼飲料水は避け、果物も量は控えめにしましょう。
    ③インスタント、レトルト、冷凍食品などは、ビタミン、ミ
      ネラルの不足を招くので避けましょう。

 

    ④化学調味料や、食品添加物を極力避けましょう。

    ⑤コーヒー、紅茶、チョコレートなど、カフェイン類は
      副腎を刺激するので、さけましょう
    ⑥食事は少量頻会食にして、食後2~3時間くらいに間食を取り入れる。
      間食は、甘くないもので、高たんぱく質食品。(乳製品、豆乳、ナッツ類など)

 

    ⑦タマネギ、長ねぎはインスリン様性質が含まれて、
      膵臓の負担を軽くするので摂った方が良いです。
    ⑧落ち着いてユックリよく噛んで食べましょう。

 

⑤  「発達障害の自分の育て方」
        岩本友規・著
          (発達障害の「生き方」研究所) より~

  ”プロフィール”
    大学卒業後、4回の転職。前職時、過労によりうつ病を発症し、休職。
    復職後にアスペルガー症候群、ADHDの診断を受け、
    現職へ障害者として転職。
    自らと同様に大人の発達障害で苦しむ人をサポートするために、
    ブログ『発達障害の「生き方」研究所 Hライフラボ』
    を2015年3月に立ち上げ。


  1章 大人の発達障害克服体験記”
  2章 あなたはこれからどう生きる?大人の発達障害の現実と未来。

 

  3章 大人の発達障害克服マニュアル”
    「パート1」・・・・脳疲労をとって改善の意欲をとり戻す

     ・ステップ1・・・・「ストレスの元からできるだけ離れる。」
                ある脅威に対するストレス反応は、
                もともと生き残っていくために、なくてはならない動物脳。
                  (外敵に敏感に反応して逃げて、警戒スイッチを切る)

                現代では、脅威のもとが学校や会社、
                あるいは親だったりと、逃げにくい環境。
                逃げれないので、警戒モードが続き、身体の不調が現れたりする。
                  (対処法:仕事や学校を変わったり、あるいはしばらく休む)

     ・ステップ2・・・・「とっておきたい栄養素」
                人間の身体は、狩猟採集民の頃の食生活に
                最適化されている、と考えるのが自然です。(原始人食)

                ・ローカーボ食、糖質制限
                  (肉や魚、ジャガイモを除く野菜類、海藻、きのこ類、
                   果物、卵、日本の発酵食品などを食べる。
                   加工肉や菓子類、塩分の多いい物ものを特に避ける生活。)

                   (脳への悪影響を無くすことに加えて、
                    さまざまな現代病にも効果があるとされています。)

                ・リーガット症候群の原因となる可能性のある物質。
                  砂糖、アルコール、カフェイン、
                  パンを中心とした小麦食品に含まれるグルテン、
                  抗生物質などの摂りすぎは避けた方がよい。

                  リーガット症候群が、ADHDやアスペルガー症候群
                  (自閉症スペクトラム)の原因になっている例もある。
                     (リーガット症候群:腸に負担のかかる物質が
                                 腸に炎症を起こし、壁に穴があく。)

         ・ステップ3・・・・睡眠をしっかりとる。
         ・ステップ4・・・・適度な有酸素運動をする。
         ・ステップ5・・・・仕事中は定期的な休憩で疲れをためない。
         ・ステップ6・・・・PC作業が多い人は姿勢をよくする

   「パート2」・・・・自立してストレスに負けない心身を作る

         ・ステップ3・・・・「周囲の世界」と「自分の世界」
                    ・私は多少コミュニケーションがへたでもこれでいい。
                    ・内向的なパーソナリティ(個性)でいい。
                    ・少しくらいミスしたっていい。

                 というようなポジティブな自己評価と、自分の生きる目的、
                 打ち込めるものを持ったうえで、
                    ・これくらいはできて当然。
                    ・ここでは普通、こうするのが常識。
                    ・ミスをしないのが基本。

                 という、周囲に合わせた行動がとれることが、
                 多数派の人たちと生きていくうえで理想といえるでしょう。

      「パート3」・・・・天職を探す。

          ・ステップ3・・・・やりたいこと、得意なことが一番の天職。
                     「天職の生まれるプロセスのパターン」
                      自分の人生の中で最も感動したことや、衝撃を受けた出来事など、
                      自分の感情を大きく動かしたモノやコトがキッカケになって、
                      自分に足りないものを自らに補ったり、
                      社会全体にも広めていこうとする欲求が、
                      天職の生まれるパターン。
                      どんな分野であっても、その人の天職になっていく。

          ・ステップ4・・・・自分の情熱を探す。
          ・ステップ5・・・・時間の感覚がなくなる作業を探す。
          ・ステップ6・・・・興味のあるイベント、勉強会に参加する。 

 

④   「隠れアスペルガーという才能」           
           吉濱ツトム(発達障害カウンセラー)・著 より~

 

”隠れアスペルガーとは?”
   アスペルガー症候群は、
   診断がつく「真性アスペルガー」のほかに、
   診断は出ないものの、ある程度の症状のあるグレーゾーンの人たちが多くいます。

   本人は、わけのわからない生きづらさを、
   誰にも言えず永年苦しんでいて、
   ある意味、真性アスペより悩みが深いかもしれません。

 

 ”こんなにあった!アスペの人間的魅力” (傾向) 
    ① 「素直である」
        人の言うことを素直に受け入れる。 
        従来の価値観に縛られず、何でも素直に受け入れるので、
        新しいフレームを構築することが得意。

    ② 「純粋である」
        自分のためでなく、社会や人のために善い行いをしよう、
        善い人であろうという「善き想い」をしっかり持っている。

    ③ 「人を信じやすい」
        哲学の影響で性善説に立っていることや、
        人の言葉の裏を読み取れず、言われたとおりに信じてしまう特性。

 

    ④ 「優しい」  
        短気なところもあるが、
        ”優しいにもほどがあるというくらい”という優しさを持つ。

    ⑤ 「人を守りたい」という気持ちが強い
        そのため、教育者、医療関係者、介護職、児童福祉施設の職員、
        カウンセラー、セラピストといった仕事に熱意を見せます。

    ⑥ 「使命感が強い」
        「人を守りたい」という気持ちの裏には、
        「自分が守らなければ誰が守るんだ」という強い使命感が潜んでいます。

    ⑦ 「真面目である」
        ”決まり事” ”規則を徹底的に守る”真面目人間。
        一方で、高いモラルを追求するがゆえに、融通が利かない場合もあります。

    ⑧ 「聴き上手である」
        雑談が苦手なので、人と話すときは話すより聴く方が楽。
        人の相談には積極的に乗るべきと、考えているというところもあります。

    ⑨ 「責任感が強い」 
       恐怖心と罪悪感が強いので、
        ”やるべきことをやらなければ申し訳ない”
        という感情に駆られやすい。

    ⑩ 「ネガティブな感情への共感性が高い」
        不安、恐怖、怒り、悲しみといったネガティブな感情に、
        人一倍強い感受性を持っています。

    ⑪ 「向上心が強い」

    ⑫ 「礼儀正しい」
        礼儀正しく美しい所作を好む。
        印象をよくしようとして無意識に、
        礼儀正しくしている可能性もあります。

③ 「アスペルガーとして楽しく生きる」

      吉濱ツトム(発達障害カウンセラー)著

 

   吉濱ツトムさんは、小・中・高校と自閉症、アスペルガーで
苦しんでこられましたが、自己改善に取り組むことによって、克服されました。
改善するために多くの書物を読み、実践した結果でした。

 

 その改善方法(改善メソッド)は、大変貴重で参考になりました。
又、そのメソッドは他の成人病や、精神疾患、健康法など幅広く対応できる、
共通するものが含まれているような気がしました。

 

 吉濱ツトムさんは、小学4年生まで自閉症、
4年時、アスペルガーと診断。
他人との会話がダメ、恐怖、不安、劣等感、慢性疲労。

 

 ”19歳、自己改善に取り組む”

 ”数年後、「典型的な症状」が半減。26歳、社会復帰。
  現在、発達障害カウンセラーとして活動。”

 

 ”実践した自己改善の内容”
   (肉体と行動の改善法を大きく6つの項目に分類し、同時進行)

   ①生理学に基づいた健康法

   ②「環境を変えることで行動を変える」 (環境圧力)
      

   ③「行動を変えれば心も変わる」(行動療法)
   ④「ものごとを正しく受け止める (認知療法)
      ものごとをどう受け止めるかによって、感情や思考も変わってきます。
      「認知とは、記憶の後天的な刷り込みである」
      新たに正しい認知を入力して、記憶を上書きする必要があります。
        (繰り返し繰り返し新しい認知を刷り込む。
         平均的な人達の認知を積極的に採用)

      認知療法による改善例の論文を集め、
      その中から自分の症状に当てはまるものを選び、
      一つずつ上書き修正していった。


    

 

   ⑤「体を鍛える」 (肉体強化)
   ⑥具体的に生活の中に取り入れる(習慣化)
      この五つの項目を生活の中に取り入れていく。
      シチュエーションごとの非常時対策マニュアルとして、
      「この場合はこうする」というルールを確保しながら習慣化していく。

               (著書・・・・発達障害とどう向き合うか
                      隠れアスペルガーという才能
                      コミックエッセイ・隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方
                                            ほか)

 

② 「発達障害の治療法がよくわかる本」
     監修 宮尾益知(国立成育医療センター
                こころの診療部発達心理科医長)
                       より~

 ”薬に頼らないのが治療の中心”
 ”治療の基本”
   「特性にあった環境・対応にする。」

  ①心理療法(精神療法)
     心理療法は、治療者との対話を通じて、
     子どもが自分の抱える混乱を整理し、
     世界を広げていけるように手助けをする。

  ②TEACCH(ティーチ)
     自閉症の特性を矯正しようというものではなく、
     特性がそのままありながら、無理なく一般社会の中で
     暮らせるように支援していこうというもの。
     視覚的な情報を活用。

  ③家族療法
     ペアレントトレーニングやSSTと関連している。

 

  ④認知行動療法(CBT)
     考え方を見直し、行動を変える。

  ⑤ABA(応用行動分析) 
    子どもに「正の行動」を教える。

  ⑥ペアレント・トレーニング
     親が子どもを理解し、接し方を学ぶ。
        (ほめ方を身につける。
         子どものよい面をみる。
         子育て一般に活用できる。)

  ⑦SST(ソーシャル・スキル・トレーニング、社会技能訓練)
     子どもが集団行動のいろはを知る。

  ⑧プレイ・セラピー(遊戯療法)
     

  ⑨感覚統合療法
     自分の体を知り、感覚について学ぶ。

  ⑩学習支援
     子どもにあう学び方をオーダーメイドする。

  ⑪リラクセーション
     自分が落ち着ける状態を知る。
     自分で落ち着く方法を身につけると、
     不安や恐怖に襲われたとき、適切な対応がとりやすくなる。

  ⑫漢方治療
     漢方薬で一部の症状がやわらぐ。

  ⑬食事療法
     食習慣の乱れは注意が必要。

  ⑭薬物療法
     薬は、とくに強い症状をおさえる補助手段。

 ”家庭でもできる、治療プログラム”
     ・TEACCH(ティーチ)
     ・家族療法の結果の反映。
     ・ペアレント・トレーニング
     ・SST
     ・感覚統合療法
     ・学習支援
     ・リラクセーション

 

 

①   「アスペルガー症候群・高機能自閉症の人のハローワーク」

                     より~

 

    (能力を伸ばし最適な仕事を
       見つけるための職業ガイダンス) 
     著:テンプル・グランディン、ケイト・ダフィー
     監修:梅永雄二   訳:柳沢圭子

 

   「テンプル・グランディン」・・・世界各地の家畜扱い施設を設計する動物科学者。
                     コロラド州大学で動物科学を教えている。
                     著書:「我、自閉症に生まれて」

 

 ”仕事を長く続けている自閉症スペクトラムの人の特徴”
    ・生来の才能を伸ばすのを手伝ってくれた人がいたこと。
    ・10代以降に、手助けしたメンターがいた。
    ・感覚にまつわる問題、うつと不安感などの対処に、
     運動療法、食事療法、サプリメントほかの療法を取り入れた。

 

 ”自閉症スペクトラムの人の直面する問題”
    ・ソーシャルスキルと友達作りの問題。
    ・感覚にまつわる問題。
    ・不安感。
    ・うつや、その他の精神的問題。  ほか。

  ”仕事で成功するためには”
    1.徐々に移行していきましょう。(高校生頃から少しずつ)
    2.協力的な雇用主を探しましょう。
    3.メンターを見つけましょう。

 

    4.雇用主や従業員を教育しましょう。
    5.自営の仕事を考えてみましょう。
    6.作品集を作りましょう。

 

    7.自分のウエブページを立ち上げ、仕事を見せましょう。

    8.ほかの人が重宝がり、必要とする技能を身に付けましょう。
    9.職種は才能のある分野に絞りましょう。

 

    10.財務管理の記録管理や、
       その他の公的記録の管理については、助けを借りましょう。
    11.気分や不安感をコントロールし、ソーシャルスキルをうまく使いましょう。

 

  「成功する6つのルール」
    ルール1 自分の強みと弱みを知ること
    ルール2 計画を立てておくこと
    ルール3 作品集を作り、自分の仕事を見せること

 

    ルール4 仕事探しに役立つので、どんな才能でも伸ばすこと
    ルール5 正規の採用ルートではなく、ありとあらゆる非公式のルートから、
           労働市場に入る覚悟を決めること
    ルート6 身なりを整え、好ましい態度で、時間どおりに仕事を始めること

 

  「好きな仕事を見つけるには」
    ・美術であれ、音楽であれ、文章であれ、
     出来るだけ練習をし、才能を伸ばしましょう。
    ・興味ある分野、自分が選んだ分野の才能を、出来る限り伸ばしましょう。
    ・おもしろそうな仕事をしている人を調べたり観察してみましょう。
    ・仕事の世界についてもっと知るために、面白そうな職場を訪問しましょう。